転がってゆく火種を追って辿り着いた先に待っていた疑心暗鬼と自暴自棄

丸々坂の下から近い公園に立ち寄ると、二人して呼吸を弾ませながらひとたび私達は長椅子に腰かけました。「ごめんなさい。到底たいして貯め込んでいるとは知らずに。完全にお前を見くびってた」N・Tは呼吸を荒げながら謝ってきました。「己も。てっきりお前の方がずっとあると思ってた。ごめん」「お前は詫びるんじゃねえよ……すべては己の自業自得です」太一は顔面から後頭部まで、両二の腕で覆いながらすっかりといった憔悴しきっていました。「こういう問題はもう終わりに決める」 そんなふうに、三十万も八十五万もこの世から見れば五十歩百歩だ。油断していらっしゃるおごりにしかたの余地から泡沫のように消えてなくなってしまいます。いずれにせよ、今の世の中、ユーザーはただ働いて稼ぐだけでは社会に追いつかないのかもしれません。「そうな。それにしてもお前、よくそこまで貯め込んだよな」N・Tはいまだに私の積み増し額に感心していました。「豪華もしない限り、普通に日々してればそれぐらいは溜まる。お前も、もしも浪費病みつきでもあるんなら今のうちに治しておいた方が良い」わたしは金銭感度の狂った幼馴染に対して在り来りな指標を施しました。最も、他にこれと言って十八番のないわたしが誇れるものは同年頃の水準からちょっぴり上の積み増し合計ぐらいのものでした。それこそ、それを取ったら何も残らないような無美味な、雑草というヤツです。今回最高濃い嘆声をついてからN・Tは内省気味に呟きました。「浪費病みつき、か……」

ヴィーナスエピレ